The Skeletal Jesters' Silly Ditties

骨の荒野で白骨の道化師が歌う

Roslyn Mischevaの語るRoehn Theer

ネタバレ注意。

ここでは”均衡の番人”、“神を弑する者”こと Roehn Theerの話をするわ。
あらゆるものが始まる前、そこには“名もなき神”がいた。自分の創造したものを守るため、秩序と混沌がどちらも暴走しないようにするため、この神は自らのセラフを作った。それが Roehn Theerよ。「イテオク」と「エノクソス」という2本の魔剣を授けられた彼には、道を踏み外した神の命を終わらせる力があった。それが抑止力となって、世界の均衡が保たれていた。

けれど、ノーラスの神々は自分たちを殺しうる存在が目障りでならなかった。やがて彼らは力を合わせて Roehn Theerを虚無送りにしたの。どんな手段を使ったのか、その過程で何柱の神が命を落としたのか、そういうことは私たち定命の知る所ではないけれど、犠牲らしい犠牲は一切なかった… というわけにはいかなかったようよ。

ところが、Roehn Theerを殺すことはできなかった。彼は生き存え、虚無で命をつないだの。自らの役割を果たせない世界でね。“名もなき神”が作った宇宙は、Roehn Theerという保護者を失ったわけだけど、幸いなことに滅びに至ることはなかった。
ところで、虚無世界にもまったく生命がいないわけじゃなかった。そこにはシャドウマンがいたの。そこで Theerはシャドウマンを懐柔し、ノーラスに戻る出口を探すことにした。

一方その頃、“万色のドラゴン”こと Kerafyrmは鬱々とした日々を過ごしていた。神の干渉を避けつつ、己の野望を果たす方法が見つからなかったからよ。
そんなある時、ウルテラに向かう旅の途中で、Roehn Theerが自分の探し求める答えを持っていることを知った。それでも虚無世界に行く方法が分からずに苛立ちを募らせていたわけだけど、オーダスがウルテラに引きずり込まれたことで状況が変わった。Kerafyrmは目ざとくもそれを察知し、秘密を解くためにかの地に赴いた…

Kerafyrmは Fyr'remd Lorakという偽りの姿でエルダイトの社会に紛れ込み、ネクサスと虚無について学べるだけのことを学んだ。この知識と虚無世界への移動手段がそろったとき、Kerafyrmの計画が固まった。エルダイトとノーラスの勇者たちを操り、2本の魔剣イテオクとエノクソスを Roehn Theerから奪うという計画が。

ノーラスの人々にとって不運なことに、Kerafyrmsの企みはうまくいってしまった。ノーラスの勇者たちは、黒幕の仕組んだこととも知らずに、まんまと Roehn Theerと対決したの。世界をも揺るがす激しい戦いの後、Theerは破れて イテオクとエノクソスは Kerafyrmの手に渡った。そして Kerafyrmは双剣の力を取り込んだのよ。

かくして Kerafyrmは神を殺しうる力を手に入れた。Mithaniel Marrや Tunare、Prexusといった神々を永遠に葬れるようになったのよ。“時の終焉”は1歩また1歩と近付いていた… けれど、Roehn Theerは破れたわけじゃなかった。一命を取り留めた彼は、Kerafyrmとの最後の決戦になくてはならない主人公の1人になったのよ。

力を失った魔剣を集めて、Theerは Al'Kaborの呼び出しに応じた。Al'Kaborは彼の力を取り戻す計画を伝えたの。自分から使命を奪った敵を倒すため、Theerは最後の決戦の場であるスカイシュラインに赴いた。イテオクとエノクソスをヴィーシャンの涙に突き刺すと、眠れる力が増幅し… 運命の双剣はいま一度完全な力を取り戻した。

力を取り戻した真の“均衡の番人”は、邪悪なドラゴン Kerafyrmに刃を突き立て、その動きを封じた。それは時間稼ぎだったの。クロノメイジの Jorlakに、魔力を溜める時間を与えるためのね。かくして Jorlakはあらゆるクロノ魔術を終わらせる究極のクロノ呪文を唱え… Kerafyrmと Roehn Theerは、ラクリンともども時の触手に絡めとられた。

Kerafyrmと Roehn Theerは宇宙に飛ばされ、時をさかのぼって復活したラクリンとひとつになった。Kerafyrmはもちろん黙っておらず、Roehn Theerの縛めと戦おうとしたけれど、それは無駄なあがきだった。ラクリンの月は少しずつかつての形を取り戻し… そして暗闇が彼らを包んだ。

彼らは死んだわけじゃない。永遠にラクリンの心臓にとらわれて、永遠に互いの腕に囚われたまま、いつまでも生き続けていくの。ある意味で相応しい終わり方ね。
これが Roehn Theerの物語。未来のことはわからないけど、少なくともこれがここまでの歴史よ。