The Skeletal Jesters' Silly Ditties

骨の荒野で白骨の道化師が歌う

Roslyn Mischevaの語るTrakanon

ネタバレ注意。

Trakanonの物語、その始まりははるか昔にさかのぼるわ。時の浸食作用によって多くの事実が失われたけど、すべてが忘れられたわけじゃない。
ある時、イクサーの魔法戦士 Venril Sathirが立ち上がり、あまたの部族を統一した。その力はクナーク大陸にあまねく及び、膨大な領土を手に入れた Venrilはイクサーの部族を支配下に収めた。最終的に、大規模な統一戦争の後、全部で5つ残っていたイクサーの部族すべてが Venrilに忠誠を誓うことになり、新しい帝国が誕生した。

やがて帝国の支配権は Venrilの息子 Rilenに渡り、彼は自分と帝国の力を固めていった。リング・オブ・スケイルのドラゴンたちさえイクサーの成長を危惧したの。でもその対抗策については意見が割れた。そこから Trakanonが支配権を握る土台ができていったのね。

多くのドラゴンは知恵の力でイクサーの問題を解決したいと思っていたけれど、Trakanonは違った。彼は力による支配を望み、生意気な劣等種を根絶やしにしてしまおうとした…

数では負けていた Trakanonだったけれど、彼はまだ若く判断力の劣るドラゴンたちを味方につけていった。やがてリング・オブ・スケイルの相違に背き、Rile Sathirを亡き者にしようとしたの。新たな征服先を探さんと、Rileが船出したその時を狙ってね。

リング・オブ・スケイルはこの裏切りをよしとしなかった。イクサーという敵は倒せたけれど、同時に反 Trakanonの気運も高まっていた。やがて Trakanonたちを罰しようという決定が下ると、それを機にドラゴンの内戦が始まったの。ドラゴンの社会では、“若竜の謀反”と呼ばれているそうよ。
最終的にその戦いにはリング・オブ・スケイルの年配のドラゴンたちが勝利し、Trakanonたち謀反人たちを罰として幽閉することになった。

600年の長きにわたり、Trakanonは眠りに就くことになった。イクサーの根絶を夢見ながらね。やがて目覚めの時が来ると、Trakanonとその従者たちは、クナークとイクサーを滅ぼすことにした。その戦いは1年と1日の間続き、空は戦いの煙に包まれた。Trakanonは倒したイクサーの骨を、征服の証として、そして自分の怒りの象徴として、広大な大陸に撒き散らしたの。

それから、しばらくの時を経て、いわゆる現代とされる時代が訪れた。少なくとも“大変動”後の世界がね。呪いを受けて自らセビリスに引きこもっていた Trakanonは、ある時幻視を目にしたの。自分とイクサーの初代皇帝 Venril Sathirが繰り広げる大戦の幻視をね。

この幻視を受けて、ドラゴンの社会からつまはじきにされながらも、Trakanonは行動を起こしたの。仇敵が復活するのを手をこまねいて見ているつもりはなかったから。だけど彼には心配なことがあった。というのも、その幻視では彼はリング・オブ・スケイルの長の座に就いていたの。でも現実には、リング・オブ・スケイルと彼の関係は決定的に破綻していた…

幻視と現実の食い違いを解決するため、彼は自分にできる唯一の行動に出た。すなわち、当時のリーダーだった Phara-Darに戦いを挑んだの。もちろん、指導者の座を賭けて。プライドゆえか、立場上仕方がなかったのか、Phara-Darはその挑戦を受けたわけだけど、Trakanonの圧倒的な力に敗北を喫した。場所はヴィーシャンズ・ピークの上空だったと言われているわ。新たに勝ち取った権力を盤石なものとするため、そして自らの呪いを解くため、Trakanonは Phara-Darの息子の命の力を奪った…

そうやって古巣の問題を解決した頃から、Trakanonは2つめの幻視を見るようになった。今回はノーラス中が業火に包まれる幻視だった。でもそれは未来が失われるという意味ではなかった。というのも、Trakanonの幻視には希望の光もあったから。その希望とは、ルーンの刻まれた謎の石。それこそが世界の滅びを防ぐ鍵だったの。

Venril Sathirが迫っていたものの、世界の運命を握るにも等しい力を手にした Trakanonは、疲れを知らずに働いた。イクサーとの戦いに備えてリング・オブ・スケイルの残党を組織しながら、自分に示された謎を解こうとしたの。だけど結局、彼は一度に多くをやりすぎたのかもしれない。あるいは、Trakanonは秘密をかたくなの守りすぎたのかもしれない。

“時の終焉”を目の前にして、ノーラスの英雄たちもまた、チェルシス・ストーンの謎を解こうとしていたの。やがて、謎を解く鍵であるアミュレットが Trakanonの手にあることがわかったことから、Trakanonと対決することになった。Trakanonがどうしてもアミュレットを手放さなかったので、勇者たちは Trakanonを倒すより他なかった。Trakanonと勇者たちとの死闘はすさまじく、ジャルサスの荒野全土を揺るがしたというわ。

こうして Trakanonも命を落としたわけだけど… その後どうなったかというのは、また別の機会にお話するわ。