The Skeletal Jesters' Silly Ditties

骨の荒野で白骨の道化師が歌う

イクの物語

イクの物語 - セビリザン帝国の概略
Venril Sathirは、イクサー一族で最も強い部族、クンツァーの族長になった。彼が族長の座についたきっかけは いわゆる「父殺し」だが、皮肉なことに、のちにVenril自身の息子も同じ父殺しに手を染める。
もっとも、次なる父殺しが起きるのは、Venrilが消すことのできない印をクナークに残した後である。
彼が他4つの部族を統一し、合わせて5つの部族からなる単一帝国… すなわち、セビリザン帝国を作ったとき、彼の統治する時代が始まった。偉大なる帝国は、もはや内輪で争うことのなくなったイクサーの力をまとめあげ、ひとつの方向に集約した。そして恐怖を、さらには恐怖による支配の波を クナーク全土に放ったのだった。
その後、Venril SathirはObulus家のウィザードの長女、Drusellaを娶ったが、この婚礼の後、帝国はさらに栄えた。皇妃となったDrusellaもまた、夫と共に帝国を統べた。Drusellaはクナークの東半分を、そしてVenrilが西半分を統治したのである。こうした繁栄の時代、次々と壮大な記念碑が建てられた。こうした記念碑の数々は、イクサーという種の誇りを体現するものであり、偉大なる帝国に背くすべての者を恐怖に震わしめる存在だった。
大いなる鱗を司る都は、イクサーの奴隷たる ゴブリンやジャイアントによって築かれた。そういった都市には、セビリスやチャラシスも含まれる。
ある時点で、Venrilは 1冊の書物を見つけた。それは名を『戦の邪典』といい、異端のわざについて詳しい、その名の通りの邪悪な書だった(かのMayong Mistmooreをして、死霊術と洗脳術という禁術の味を覚えさしめたのと同一の書という説もある)。コティズ書庫に眠っていたそれは、シッサーが残した文献の1冊だったという!
だがその内容も、彼の知的好奇心を満たすには及ばなかった。むしろ、逆に火をつけてしまったのだ!
Venrilは、自身とその伴侶に永遠の命をもたらす儀式、もしくはアイテムを探し始めた。不運なことにというべきか、彼の最愛の妻であったDrusellaが 生きてその日を目にすることはなかった。Venrilが邪典の謎を解き明かす前に、ある日突然、Drusellaは世を去ってしまったのだ。
皇妃の葬儀が終わり、その亡骸がチャラシスの奥へ埋葬された後、Emperor Sathirはすべての帝都民に招集をかけた。
留まることを許されたイクサーは、忠誠心に厚いガードと召使いたちだけだった。留まるとは、永遠の時を皇妃に仕えて過ごすということだ。爾来 彼らは二度と陽の温もりに親しまず、月の輝きを浴びもしなかった。渓谷の岩々に、呪われた者たちの咆哮が跳ね返る。それはいつまでも不吉な木霊を残すのだった。
 断崖都市を足しげくおとなうつもりだったVenrilだが、結局は呪文の力によってチャラシスの入口を隠してしまった。身の程知らずの愚か者たちが、虎視眈々と彼の知識を狙っていた。また、どこの馬の骨とも知れない連中が、愛するDrusellaの大霊廟を汚してしまうかもしれない。そういったならず者の進入を防ぐためだった。
 もっとも、彼が内心で何を考えていたか、それは誰にもわからない。
この時代、Venrilはあれよという間に死霊術に魅入られていった。失われた伴侶を、今一度甦らせるためだった。
父が禍々しき闇に堕ちたことを知ると、Venrilの長子であるRile Sathirは、皇帝の前に進み出て、その振る舞いに異を唱えた。激しい口論の末、Rileは父王が進めていた闇の儀式を妨げた。そして… 父の息の根を止めたのだった。
RileはVenrilの肉体を破壊し、父殺しに関するすべての証拠をチャラシスの墓所に埋めてしまった。このようにしてRileは父の跡を継ぎ、父と同じく激しい暴力を伴う統治を行った。Dominus Rileは、父が築いた帝国の勢力拡大に大いに貢献したのだった。
彼はセビリス海軍を… ノーラスにおける史上最大の海軍を作った。彼はグリーンミスト聖騎士団を… セビリザン・ナイトの大軍団を作った。
だが、Venrilはそう簡単に倒れなかった。また、このような軍事力でさえ Rileの命を救うことはできなかった!
死がRileたち兄弟*1を捕え、父王の暴虐から、死霊術の魔手から逃すまいとしたように。Venrilの息子らは、自分たちが抗おうとした まさにその力で息を吹き返した。彼らは父 Venrilが振るう未知なる力によって操られ、その意のままとなっている。
彼らはいつまでこのままなのだろう? Venrilは、愛するDrusellaを本当の意味で甦らせる方法を見つけるのだろうか? 予知の力を持つ予言者はその答えを知っているかもしれない。だがそのような力を持たない我々は、いつか答えがわかる日をじっと待ち続けるしかない。

Elna Tsernin

*1:Rileに兄弟がいたという主張を眼にするのは初めてだ。Rileの次代皇帝Atrebeは、EQ1の公式設定においてRileの長子と明記されており、兄弟ではありえない。Vanrilに復活させられたRileの子孫たちをまとめて示した表現だろうか?