The Skeletal Jesters' Silly Ditties

骨の荒野で白骨の道化師が歌う

カーンの塔の物語

カーンの塔は「呪いの塔」として広く知られるところだが、この塔には数々の謎がある。
我々はよく知っている… Kurn Machta、またの名を Dread Torturerという男が、皇帝Rile Sathirの腹心とも言うべき将軍だったこと。そしてこの塔がRileの治世に建設されたことを。
だが、KurnがいかにしてRileの信頼を得るようになったのか、そして後にKurnがどのような運命をたどったのか、そいういうことが語られる機会はほとんどないと言っていい。
Venril Sathirの統治下にあって、Kurn Machtaは前途有望なフィールド士官だった。最愛の妻を復活させることに いよいよ妄念を募らせていくVenrilは、数限りない遠征を命じた。イサーニアに渡ったDrusellaを連れ戻し、その肉体を復元するためのアイテム、ポーション、呪文などを探すためであった。

Kurnがそのような戦から帰還した まさにその折、Venril Sathirが、実の息子 Rileの手によって、皇帝の座から放逐された。
一部の者は、このタイミングの妙を軽んじ、間もなくKurnが昇格したのは単なる偶然と片付ける。だがそう考える者ばかりではない。偶然にしてはあまりにできすぎた話だからだ。
RileはKurnの何を見て これほどの信頼をおいたのか? 最後となったこの捜索で、何かを見つけたというのだろうか? KurnがDread Torturerの異名をとるようになったのは、いったい、この時からであろうか?
本当のところは誰にもわからない。しかしほどなく、それは時間軸で言うとサジリアン帝国の次の拡大期だったが、フィールド・オブ・ボーンで要塞の塔の建設が始まった。
Rileの信望厚き将軍、Kurn Machtaにちなんで名付けられた塔は、おびただしい数の拷問具を蔵していた。それはKurnの趣味だった。彼は個人的な動機から このような拷問具を敵に振るい、暗い嗜虐的な喜びにふけっていた。犠牲となった虜囚の中には、ウォーシルクの森の血なまぐさい戦いで Kurnが捕えた者もいた。
もし生きていれば、彼はこの決断を悔いたかいもしれない… が、その後悔も長くは続かなかっただろう。彼の囚人の1人が逃げた先は、迷宮の最深部のようであった。そこは、はるか昔に封じられた塔… 「各地から略奪してきた宝が隠されている」と言われる塔のそびえる一帯だった。またこの塔には、「拷問のための責め具が収められている」とも言われていた。
そこから、囚人はトンネルを掘ることに成功し、悪夢のような幽閉の塔から逃げ出した。ところが不運とは続くもので、囚人が掘り進んだ経路は、ベリネの穴につながっていた。なすすべもなくその穴に落ちた(ちなみに、フィールド・オブ・ボーンの地下に広がる穴だった)逃亡者は、宝を守るベリネの爪にかかり、あっけなく死んだ。
そのような末路をたどったのは、この男が最後ではなかった。
このことを 地上の種による攻撃と信じるならば、そして彼らの宝をひとつ残らず盗もうという企みと信じるならば、彼らは報復を遂げたのである。ベリネがカーンの塔を落とし、その後“Dread Torturer”を亡き者とした(かの人自身の拷問具を用いて)のは、それから間もなくのことだった。
だが、この男の物語はまだ終わらない。なぜならば、“大破砕”のはるか前でさえ、その後の“混乱の時代”においてさえ、「彼の屍がアンデッドと化し、この世をさまよっている」という噂が絶えることはなかったからである。

Elna Tsernin