The Skeletal Jesters' Silly Ditties

骨の荒野で白骨の道化師が歌う

『氷原の教団』 原書名"Order of the Frozen Wastes"

「私の修行は終わりましたか?」と弟子に尋ねられると、主は「おまえは死んだのか?」と質問した。弟子は頭を横に振った。「だったらお前の修行はまだ終わっていない」と主は返答した。

『氷原の教団』p.16

 

 この本には現在、外見や内容に特筆すべき要素はない(途中ページが丸ごと翻訳できていないことを除けば)ように見えます。なぜ都市の図書館で買えるのか、不思議に思うほどです。しかし、この本について調べようとすると、そこには空白があります。

日本語で言及するページがないのは驚くべきことではありませんが、EQ2Uのデータベスで一部のサーバでの初出が2005年とされているにもかかわらず、公式英語wikiとZAMにもほとんど情報がありません。この時代のものなら、フルテキストが各地に掲載されていてもおかしくないのに。
この書名が見られるページですらごくわずかです。その一つはある(英語圏の)考古学愛好者のサイトで、「自分が現在入手できない本の一覧」(2012年付)に掲載されています。そして唐突な、2014年1月のゲームアップデートで「図書館販売に追加された」旨の公式告知があります。
実際、EQ2Uで2005年に記録がないサーバでの初出報告は2014年以降です。
いったいこの本はもともと、どんな意図を持って世界に置かれたのでしょう? おそらく長かったと推測される非存在期間を経て、ほかに多くの実在が危ぶまれる書物がある中で、なぜこれだけが唐突に図書館に戻されたのでしょう。

ともあれ、現在この本は都市図書館で条件なしに買うことができ、前提知識のない人々はその点に何のありがたみも感じずに、このあまり面白くなさそうな本たちはどうして図書館にあるのだろう。と漠然とした不満を感じることができるわけです。
この本は一つのマクガフィンとして機能し、その存在と非存在をめぐる謎があるのかもしれませんが、私はまだその物語の全容を見ていません。